会社がマジで潰れそうなんだけど、このまま潰れるまで会社に残った方がいいのだろうか。それともさっさと見切りをつけて転職するべきか。大学で学び直すか、起業するか、専業主夫になるか、ユーチューバーになるか、ニートになるか・・・。僕はいったいどうしたらいいんだー。
将来がどうなるか、いまや誰も明確には予測出来ないのです。(中略)人生において、個人として大きな決断を迫られる場面に遭遇する機会が、昔に比べて明らかに増えているのです。
何年か前に読んだ滝本哲史著『武器としての決断思考』を読み直して、綺麗さっぱり内容を忘れている自分を発見した。いままさに僕に必要な武器はこれだ!。忘れないうちにまとめておこう。そして実践しよう。
論題を決める
例えば「転職した方がいいのか」と漠然と考えるのではなく「転職するべきか否か」と二者択一で結論が出るように設定する。そうしないと、思考が拡散して結論が出ない。
具体的な行動の枠組みを小さく捉え過ぎない
「A社に転職するか否か」を考える前に、それより大きな「転職するべきか否か」から考える。それから徐々に小さな枠組みに落とし込んでいく。そうすると具体的な問題が複数出てくるので、重要な問題から優先的に2、3個選んで思考を進めていく。どうでもいい問題には時間をかけない。
メリットとデメリットを比較する
メリットの3条件
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内因性(なんらかの問題があること)
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重要性(その問題が深刻であること)
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解決性(問題がその行動によって解決すること)
メリットの例
- 会社が倒産しそう(内因性)
- 会社が倒産したら生活できない(重要性)
- 転職しよう(解決性)
メリットには3条件があることを頭に入れて、それぞれの条件を満たしているかどうかをひとつずつ確認していく。これを習慣にすると、自分で自分の主張が正しいかどうかをチェックできるだけでなく、相手をうまく説得することもできるし、逆にダマされにくくもなります。
デメリットの3条件
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発生過程(論題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)
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深刻性(その問題が深刻であること)
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固有性(現状ではそのような問題が生じていないこと)
デメリットの例
- 転職したらスキルを一から学ばなければならない(発生過程)
- スキルを一から学ぶのはしんどい(深刻性)
- 転職しなければスキルを一から学ぶというしんどい目には合わない(固有性)
発生過程のところでストーリーを組み立て、深刻性のところで「なぜ問題なのか」を説明できなければならない。そして固有性のところで新たな問題が他の理由ですでに起きていないか確認する。
転職のデメリットとして、新たな業界や職種で一からスキルを身につけないといけないという「新たな問題」があるでしょう。でも、実は転職しなくても、時代の変化によっていままでのスキルが役立たなくなっているとするなら、新しいスキルを一から身につけないといけないという問題は、転職に関係なく起きていることになります。つまり、固有性がないということになるのです。
隠れたデメリットの機会費用
機会費用とは、「その行動を取らなければ実現できるはずだったことができなくなってしまうこと」を言います。
例えば、転職するために時間を取られる。そのためアフターファイブにゆっくりする時間がなくなった。
メリット・デメリットの3条件に反論していく
反論はメリットとデメリットが本当に正しいかどうかを検証するために必要になってくる手順だと考えてください。
メリットに対する反論の例
- 会社が倒産しそう(内因性) →そもそも本当に倒産するのか、倒産したら経営者に対して溜飲が下がるので見届けるべきではないか
- 会社が倒産したら生活できない(重要性) →共働きだから僕の会社が倒産しても生活できないことはない、貯金があるからしばらくは生活費に困ることはない
- 転職しよう(解決性) →転職した先の会社が倒産しないとは限らないのではないか、今の会社が倒産しないように努力するべきではないか
と、反論することができる。そして反論に対してさらにひとつずつ反論の反論を加えていき、反論できなくなるまで検証する。
デメリットに対する反論の例
- 転職したらスキルを一から学ばなければならない(発生過程) →今の会社でもスキルを学ぶ必要性は変わらない
- スキルを一から学ぶのはしんどい(深刻性) →自分の興味のあることなら学ぶのは苦にならないのでは
- 転職しなければスキルを一から学ぶというしんどい目には合わない(固有性) →会社が倒産したら否が応でもスキルを学ぶ必要性が起こる
正しい主張の条件とは
正しい主張の3条件
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主張に根拠がある
-
根拠が反論にさらされている
-
根拠が反論に耐えた
会社が倒産しそう、についての検証
- 明らかに仕事が減っている、後継が無能なバカ息子
- 仕事が減っているように思えて実は儲かっている、バカ息子は実は優秀
- 本当に儲かっているのか財務諸表を確認したら利益が出ていた、バカ息子が儲かる仕事を取ってきた
と検証結果が出ると会社が倒産しそうという主張は反論に耐えることが出来なかったことになる。しかし
- 明らかに仕事が減っている、後継が無能なバカ息子
- 仕事が減っているように思えて実は儲かっている、バカ息子は実は優秀
- 本当に儲かっているのか財務諸表を確認したらやはり赤字だった、バカ息子は会社の金を遣い込んでいた
となると会社が倒産しそう、についての根拠が反論に耐えたことになり、この主張は正しいことになる。
実際にやってみると考えないといけないことがどんどん出てくる。漠然と考えているだけではこんがらがって絶対に答えが出ない。しかし問題を一つずつ小分けにしメリット・デメリットを比較していくと確実に答えを導き出すことができる。これからの人生を生き抜くために、時間はかかるが山ほどある問題を一つずつ検証していく他はない。
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